マッコリ
マッコリ(막걸리)とは、韓国の大衆向け醸造酒の一つ。日本のどぶろくに相当する。仮名表記では、マッカリ、マッコルリとも書く。
マッコリ | |
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![]() 器に入ったマッコリはヒョウタンを割って作ったパガジですくう。写真は陶器製 | |
各種表記 | |
ハングル: | 막걸리 |
漢字: | (濁酒) |
発音: | マッコルリ |
ローマ字転写 / 英語: | Makgeolli / Makkŏlli |
概要
マッコリには強い甘味がある。これは麹により糖化された米の甘味である。微かな酸味と炭酸発泡の味がする。醗酵の進み過ぎたマッコリは酸味と炭酸が強烈になる。アルコール度数は6~8%(ビール程度)である。
原料は米を主とするが小麦粉を添加する場合が多く、その他の材料や製法は地域によって多少の違いがある。米を主原料としないマッコリの代表例はサツマイモ(コグマ/고구마)を主原料とするもので、これをコグマ・マッコリと呼ぶ。また、江原道や慶尚北道の山間部ではとうもろこし(玉蜀黍;韓国語読みでオクスス/옥수수)を原料とするものもあり、これをオクチュ(玉酒/옥주)と呼び、飲む際にはオクチュを注いだ器の中に松の葉を数本折って入れる。これは松の葉独特の香りがオクチュとよく合うことから、このような飲み方が好まれるという。 発酵には酵母によるアルコール発酵のほかに、雑菌の繁殖を抑えるための乳酸菌による発酵を伴う。そのためほのかな酸味がある。
一般的にマッコリは暑い夏場に冷やした状態で飲むのが好まれる。大きな丼のような器によそい、パガジというヒョウタンで作った柄杓で各自の器に取り分けて飲む。
韓国ではドンドンジュ(동동주)という酒もよく飲まれている。ドンドンジュはマッコリとほぼ同じ酒である。厳密には火入れをしない発泡性を保ったものをトンドンジュ、火入れ済みで発泡しないものをマッコリと区別する場合が多い。ただし両者の間に明確な違いはないため、日常的には特に区別をすることは無い。どちらも韓国のスーパーマーケットや雑貨店などで売られている。生マッコリは劣化が早いので長期保存が不可能である。
マッコリは日本統治時代以前には各家庭ごとに作られていた。
朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)にも昔はマッコリが多く存在したが、食糧不足によって造られなくなり、現在では海外観光客向けに一部が存在する程度だといわれている。代わりに、ドングリやジャガイモ・トウモロコシを原料にした密造焼酎(カストリ)が多く製造され、チャンマダン(市場)で売買されているという。
日本でも近年、韓国料理店の増加に伴って、輸入マッコリが出回るようになってきた[1]。 韓国ではマッコリに使われる人工甘味料「アスパルテーム」が人体に有害だとして問題になったが、2010年3月、食品医薬品安全庁が「1日に許容される摂取量を超えない限り問題はない」と公式見解を発表した[2]。
脚注
- ^ マッコリ輸出が増加の一途、9割弱が日本向け 聯合ニュース 2009年10月25日閲覧
- ^ 「マッコリに含まれる甘味料、許容量以下なら問題なし」 朝鮮日報 2010年3月25日閲覧