消音スピーカー
消音スピーカー(しょうおんスピーカー)とは騒音公害での対処法のひとつである。
騒音源の音を拾い、それと逆相になるような音を作りスピーカーから出力し結果的に打ち消しあって「騒音レベルを下げる」ことを目的としたもの。理論自体はかなり昔から証明されてきたが、近年のデジタルシグナルプロセッサの高速化により製品化が可能になった。
概要
日本の放送機器メーカー・TOAが、世界で初めて開発した。室内の静寂性が重視される高級乗用車に採用事例がある。
救急車の車内にもサイレン音を緩和するために採用され、救護者の心理的圧迫感軽減や医療機関との無線通話明瞭度確保に役立っている。騒音源(サイレン音)を音としてマイクロフォンで拾うのではなくサイレンアンプから電気的に得るため、整った逆相波形が得られ効果が高い。
ノイズキャンセラー
消音スピーカーの類似技術として、ヘッドフォンや携帯音楽プレーヤーに内蔵されるノイズキャンセラーがある。周囲の音(環境音という)を内蔵のマイクロフォンで収音し、これと逆位相の信号をオーディオ信号と混合して出力することによって、ヘッドフォンへ外部から侵入する環境音を軽減するものである。
ヘッドホン再生の場合、収音した環境音に再生音がほとんど混入しないため簡易な電子回路で得た逆相信号でも効果があり、消音スピーカーよりも早く1990年代から商品化された。
フィルタによるノイズキャンセラー
- アナログ式
- フィルタ回路を使用し、ノイズを取り除く方法。
- ハイパスフィルタ(HPF)、ローパスフィルタ(LPF)、バンドパスフィルタ(BPF)、バンドエリミネーションフィルタ(BEF)など。
- デジタル式
- DSPなどで元の信号波形を窓関数に与え、その波形に合致しない帯域(元信号に含まれないと推定される周波数成分)をノイズとして取り除く方法。
位相によるノイズキャンセラ
あるノイズに対して逆位相の信号を重ね合わせると、ノイズが無効化される。