H/PJ-45 130 mm艦砲(H/PJ-45 130ミリメートルかんぽう、中国語: H/PJ-45单管130毫米舰炮)は、中華人民共和国で開発された艦砲昆明級駆逐艦(052D型)などに搭載されている[2]。なお形式名についてはH/PJ-38とする資料もある[1][3][4]

H/PJ-45 130 mm艦砲
種類 艦砲
原開発国 中華人民共和国の旗 中国
運用史
配備期間 2014年 - 現在
配備先  中国人民解放軍海軍
開発史
開発者 鄭州機電工程研究所[1]
開発期間 2005年 - [1]
諸元
重量 50トン[1]
銃身 70口径長

口径 130 mm (5.1 in)
銃砲身 単装[1]
発射速度 40発/分[1]
最大射程 29.5 km[1]
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概要

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中国駆逐艦は、国産第一号である051型(旅大型)ではソビエト連邦製のSM-2-1山寨化した58口径130mm砲(76式)を採用したが、これは大戦中に開発された緩射砲であった[4]。その後、1990年代末にロシア海軍ソヴレメンヌイ級駆逐艦を購入すると、これに搭載された70口径130mm連装速射砲(AK-130)も導入されたが、こちらは性能こそ優れているものの、砲塔重量が100トン近いため、搭載できる艦は限られた[1]。このため、ミサイル駆逐艦の国産化に着手した直後は、フリゲートと同じくフランスの100mmコンパクト砲を山寨化した55口径100mm単装速射砲(H/PJ-87)が搭載されており、また1999年に旅大型を近代化改装した際には58口径130mm連装砲を56口径100mm連装砲(H/PJ-33B)に換装するなど、130mm砲の運用を縮小するような動きもあった[4]

その後、2005年頃より、中船重工713研究所郑州机电工程研究所)は、AK-130の技術を踏まえた軽量130mm砲の開発に着手した。単装化するとともに、旋回・俯仰装置などを新規設計することで、砲塔重量は半減した。また砲盾はステルス性を意識した設計になった。なお砲弾は、通常砲弾とともに、新しいレーザー誘導砲弾も使用可能とされている[1]

比較

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主な艦砲の比較
 AGS  H/PJ-45  A-192M  Mk45 Mod 4  127mm/54C  Mk8 Mod 1  Mle.68  76mm C/SR  Mk110
砲身数 単装[1]
口径 155 mm 130 mm 127 mm 113 mm 100 mm 76 mm 57 mm
砲身 62口径 70口径 62口径 54口径 55口径 62口径 70口径
重量 106 t 50 t[1] 24 t 28.924 t 37.5 t[5] 26.4 t 22 t 12 t 7.5 t[6]
要員数 完全自動 不明 3名 6名[注 1] 2-8名[7] 給弾手2名 無人[注 2] 給弾手3名 完全自動
仰俯範囲 +70°/ -5° +75°/ -12° +65°/ -15° +83°/ -15° +55°/ -10° +29° +85°/ -15° +77°/ -10°[6]
旋回範囲 全周 不明 340° 330° 340° 40° 全周
発射速度 10発/分 40発/分[1] 30発/分 16-20発/分 45発/分[5] 25発/分 78発/分 80発[注 3]/分(C)
120発/分(SR)
220発/分[6]
冷却方式 水冷 不明 空冷 水冷 空冷 水冷
最大射程 118,000 m[注 4] 29,500 m[1] 23,000 m[注 5] 37,000 m 23,000 m[注 6][注 7] 21,950 m[注 6] 17,000 m[注 8] 18,400 m[注 6] 21,000 m[注 9]

採用国と搭載艦

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  中国人民解放軍海軍

脚注

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注釈

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  1. ^ 遠隔操作
  2. ^ 必要に応じて2名の砲員による砲側射撃も可能
  3. ^ 性能向上型、IROF改修を行うことで100発
  4. ^ LRLAP弾
  5. ^ 対空で18,000 m
  6. ^ a b c 通常砲弾
  7. ^ 対水上で15,000 m[8]、対空で7,000 m[8]
  8. ^ 対水上で12,000m、対空6,000m
  9. ^ HCER-BB弾[9]

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 多田 2015, p. 110.
  2. ^ 陸 2018.
  3. ^ 井上 2021.
  4. ^ a b c 多田 2020.
  5. ^ a b 大塚 2014.
  6. ^ a b c 多田 2015, p. 109.
  7. ^ 梅野 2007, pp. 177–182.
  8. ^ a b Friedman 1997, p. 436.
  9. ^ Friedman 1997, pp. 450–451.

参考文献

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  • 井上, 孝司「中国海軍の艦載兵器 (特集 中国海軍)」『世界の艦船』第945号、海人社、2021年4月、104-111頁、NAID 40022501814 
  • 多田, 智彦「世界の艦載兵器」『世界の艦船』第811号、海人社、2015年1月、NAID 40020297435 
  • 多田, 智彦「現代の艦載兵器(第11回)艦載砲(その2)」『世界の艦船』第935号、海人社、2020年11月、141-147頁、NAID 40022370035 
  • 陸, 易「中国 (特集 最新の洋上防空システム) -- (主要国の艦載防空システム)」『世界の艦船』第889号、海人社、2018年12月、98-101頁、NAID 40021712982 

関連項目

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