鶴田 欣也(つるた きんや、1932年8月23日 - 1999年11月8日)は、日本出身の日本文学研究者。ブリティッシュコロンビア大学(UBC)教授を務めた。

経歴

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東京生まれ。幼くして実母と死別、継母に育てられた。上智大学英文科卒業後、米国へ留学中、実父が死に天涯孤独の身となる。ワシントン大学芥川龍之介についての博士論文を書き、トロント大学助教授を経て1973年から1993年までブリティッシュコロンビア大学教授。国際日本文化研究センター外国人教授、龍谷大学教授を務めた後、死去。最後はカナダ国籍だった。教え子に萩原孝雄榊敦子小谷野敦らがいる。

もっぱら川端康成を研究対象とし、1990年以降は平川祐弘とともに多くの国際シンポジウムを開催した。

生涯に3度の結婚歴がある。1973年に工藤美代子と再婚したが、1993年頃離婚。末期がんが判明してから3度目の結婚をした[1]

著書

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単著

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  • 『川端康成の芸術』明治書院 (1981) (国文学研究叢書)
  • 『日本近代文学における「向う側」』明治書院(1986)(世界の日本文学シリーズ 2)
  • 『川端康成論』 明治書院,(1988)(世界の日本文学シリーズ 4)
  • 『越境者が読んだ近代日本文学』新曜社 (1999)

編著

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  • 『「山の音」の分析研究』長谷川泉共編, 南窓社 (1980)
  • 『川端康成『山の音』研究』 平川祐弘共編 明治書院,(1985)
  • 『「雪国」の分析研究』 長谷川泉共編 教育出版センター(1985)
  • 井伏鱒二研究』長谷川泉共編 明治書院 (1990)
  • 『内なる壁』平川祐弘共編 ティビーエス・ブリタニカ,(1990)
  • 『日本文学の特質』平川祐弘共編 明治書院 (1991)
  • 『漱石の『こゝろ』』平川祐弘共編 新曜社,(1992)
  • 『アニミズムを読む』平川祐弘共編 新曜社,(1994)
  • 『日本文学における〈他者〉 』 新曜社,(1994)
  • 『『暗夜行路』を読む』平川祐弘共編 新曜社,(1996)
  • 『「甘え」で文学を解く』平川祐弘共編 新曜社,(1996)

その他

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  • 『日本の母』平川祐弘、萩原孝雄編 新曜社,(鶴田のUBC定年を記念した論集、1997)
  • 『異国への憧憬と祖国への回帰』平川祐弘編 明治書院,(鶴田が行ったシンポジウムをその死後刊行したもの、2000)

出典

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