自然法則

自然の事象の間になりたっている、反復可能で一般的な関係のこと

自然法則(しぜんほうそく、law of nature)とは、自然の事象の間になりたっている、再現性のある関係のこと[1]自然律とも言う[2]

法則と言ってもいくつか分類があるが、自然法則というのは、規範法則ではないもののほうであり[1]、人間の道徳的なlaw(法規)ではないほうの法則である。自然法則は因果性を基礎に置いて考えられている[1]

川崎謙によると、東洋の歴史で自然に数理的法則を見出す考え方が生まれず、それに対して西洋の歴史においてガリレオらによって自然の中に意図的に数理的法則(自然法則)を見出そうとする近代科学が生まれることになったのは、東洋と西洋では自然観が全く異なっていたこと、別の言い方をすると「nature」と「自然」の用法や概念が全然違っていたことによる[3]、とのことである[4]

脚注

編集
  1. ^ a b c 広辞苑 第五版 p.1175 第三段
  2. ^ デジタル大辞泉
  3. ^ 川崎謙『神と自然の科学史』講談社選書メチエ
  4. ^ なお、明治以降に西洋科学を急遽導入し、西欧語の文献を翻訳しnatureを(なかば無理矢理に)「自然」と訳してそれを受け入れたため、もともと異なる用法だった二つの語が干渉しあい、日本人自身が自覚しないままに日本人の心の中で奇妙な 認識上のねじれ現象、錯視現象のようなことを引き起こしている、というようなことも川崎謙は指摘している。

参考文献

編集