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クラスリン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

クラスリン (clathrin) は細胞外マトリクス分子エンドサイトーシスにより取り込まれる際に形成される、エンドソーム外側を形作る骨格となるタンパク質である。クラスリン分子は三脚巴構造 (triskelion) を取り、エンドソーム形成時は、複数のクラスリンが重合して格子を作り、サッカーボールの様な構造を形作る。

細胞分裂中期においては、有糸分裂紡錘体動原体繊維(正確には微小管もしくは微小管結合タンパク質)と結合し、動原体繊維の配向を制御している。さらに、p53タンパク質と結合し、p53の転写活性化能を制御すると報告されている。

構造

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クラスリン分子は三つの足を持ち、三脚巴構造を取っている。それぞれの足はクラスリン重鎖とクラスリン軽鎖からなる。クラスリン重鎖は1675アミノ酸残基よりなり、分子量は約191kDaである。クラスリン軽鎖の分子量は約25-29kDaである。

クラスリン重鎖は、ヘリックス-ループ-ヘリックス構造をとり、C末端側から、Trimerizationドメイン、proximal(近位)ドメイン、kneeドメイン、distal(遠位)ドメイン、ankleドメイン、およびterminal(終末)ドメインの6つのドメインよりなる。Trimerizationドメインは三脚巴構造の中心で、C末端側100残基程度で3つの足を相互につなぎ止めている。Terminalドメインはβ-プロペラ構造を取っており、被覆形成時には骨格の形成には関与せず、被覆の内側に配向している。

クラスリン軽鎖の生理的役割の詳細は明らかとはされていない。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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