コンテンツにスキップ

平井大橋

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
東京都道315号標識
平井大橋(左岸下流側、2018年8月)

平井大橋(ひらいおおはし)は、荒川(荒川放水路)および中川に架かる東京都道315号御徒町小岩線蔵前橋通り)のである。東京都内の葛飾区西新小岩江戸川区平井を結んでいる[1]

概要

[編集]

荒川の河口から6.0 km[2][3]の地点に架かる橋で、橋長616.0メートル[1](荒川渡河部483.9メートル、中川渡河部132.1メートル[4])、幅員20メートル(車道16メートル、歩道2メートル×2)、最大支間長60メートルの鋼カンチレバー箱桁(ゲルバー式格子箱桁[5])および単純活荷重合成鈑桁橋[4](主径間3径間、側径間12径間[5])である。 また、荒川と中川の橋の間に14.4メートルの盛土区間があり[4]、渡河区間の総延長はさらに長い。また、首都高速道路平井大橋出入口とも接続している。右岸側取り付け道路は高架橋、左岸側取り付け道路は盛土となっている。取り付け道路の長さは右岸側は231.1メートル、左岸側は153.5メートルである[5]。橋の東詰は2007年(平成19年)10月に整備された、たつみ橋交差点に架かる新小岩陸橋へ接続する。橋の管理者は東京都で、災害時に防災拠点等に緊急輸送を行なうための、東京都の特定緊急輸送道路に指定されている[6]

平井大橋(2019年1月)

橋の架設

[編集]

橋は四ツ木橋小松川大橋など荒川に架かる橋の混雑緩和を目的に[7]東京都第五建設事務所が事業主体として建設され[8]1961年(昭和36年)着工され[5]1966年(昭和41年)竣工され[1][7]、同年8月開通した[8]。下部工(橋脚)の基礎は4基は鋼管杭脚付きケ-ソン基礎、9基は鋼管杭基礎を使用している[4][5]。開通当初は用地買収や区画整理の遅れから右岸側の取り付け道路がまだ未完成だったが[8][9]1967年(昭和42年)4月に取り付け道路が竣工された[8]。総事業費は16億2700万円であった[5]

かつて、荒川放水路を越えて江戸川区平井地区へ行くには四ツ木橋か小松川橋などの橋へ迂回するルートしかなく不便であったが、この橋の開通により利便性が向上し、ひいては千葉県京葉地域への重要なルート[1]へと変貌した。

直線で見通しが良い道路であるが、橋から川に転落する事故が相次いだことから、1980年(昭和55年)秋に中央分離帯にガードレールが設置され、縁石周りに反射塗料を塗布するなどの対策を講じた[10]

周辺

[編集]

隣の橋

[編集]
(上流) - 京成押上線荒川橋梁 - 木根川橋 - 平井大橋 - 総武本線荒川橋梁 - 小松川大橋・新小松川大橋 - (下流)
(上流) - 平和橋 - 上平井橋 - 平井大橋 - 総武本線荒川橋梁 - 小松川大橋 - (下流)

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 13 東京都』角川書店、1978年10月27日、615頁。ISBN 4040011309 
  2. ^ 荒川下流河川維持管理計画【国土交通大臣管理区間編】” (PDF). 国土交通省関東地方整備局 荒川下流河川事務所. p. 73(巻末-7) (2012年3月). 2017年2月21日閲覧。
  3. ^ 企画展「荒川の橋」荒川・隅田川の橋(amoaノート第8号)” (PDF). 荒川下流河川事務所(荒川知水資料館). 2005年11月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年2月21日閲覧。
  4. ^ a b c d 平井大橋1967-4 - 土木学会附属土木図書館、2017年2月18日閲覧。
  5. ^ a b c d e f 『土木技術5月号』19-23頁。
  6. ^ 特定緊急輸送道路図”. 東京都耐震ポータルサイト (2013年). 2017年3月6日閲覧。
  7. ^ a b 荒川 ・中川 ・旧中川 の橋” (PDF). 江戸川区 (2014年10月21日). 2017年2月18日閲覧。
  8. ^ a b c d “ドライバーもやっと安心 荒川の平井大橋 取付道路が来月完成”. 朝日新聞 東京 朝刊 (朝日新聞社): p. 16. (1967年3月8日) 
  9. ^ MKT663X(1966/08/29) 1966年8月29日撮影の平井大橋周辺 - 国土地理院(地図・空中写真閲覧サービス)、2017年2月21日閲覧。
  10. ^ “アルミ欄干ポキリ事故 同じ橋で5回も 東京・平井大橋_自動車事故”. 朝日新聞 東京朝刊 (朝日新聞社): p. 23. (1986年4月6日) 

参考文献

[編集]
  • 「口絵写真完成間近い平井大橋の架設工事を見る」『土木技術5月号』第21巻第5号、土木技術社、1966年5月1日、19-23頁、ISSN 0285-5046 

外部リンク

[編集]

座標: 北緯35度42分47秒 東経139度50分55秒 / 北緯35.71306度 東経139.84861度 / 35.71306; 139.84861