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F-07C

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
NTTドコモ F-07C(LOOX)
キャリア NTTドコモ
製造 富士通
発売日 2011年7月23日
概要
OS Microsoft Windows 7 Home Premium 32bit Service Pack 1(PCモード)
Symbian OS, MOAP(S)(携帯モード)
CPU HT搭載CPU。
Windows用はIntel Atom Z650(0.6GHz)
(最大1.2GHzのCPUをダウンクロック)[1][2]。Symbian OS用は未発表。
音声通信方式 3GFOMAW-CDMA
2GGSM
(3G:800MHz、850MHz、1.7GHz2GHz)
(2G:900MHz、1800Mhz、1900MHz)
データ通信方式 3GFOMAHSDPA
2GEDGE
形状 横スライド・タッチパネル・QWERTY配列キーボード
サイズ 125 × 60 × 19.8 mm
質量 218 g
連続通話時間 約370分(音声電話時・3G)
約440分(2G)
連続待受時間 約600時間(静止時・3G)
400時間(2G)
外部メモリ microSD
(2GBまで・ドコモ発表)
microSDHC
(32GBまで・ドコモ発表)
日本語入力 IME/ATOK
FeliCa あり
赤外線通信機能 あり
Bluetooth あり [3]
放送受信機能 なし
メインディスプレイ
方式 TFT液晶
解像度 フルワイドSVGA
(600×1024ドット
サイズ 4.0インチ
表示色数 262,144色
サブディスプレイ
なし
メインカメラ
画素数・方式 約510万画素CMOS
機能 AF
手ぶれ補正機能
顔認識
サブカメラ
画素数・方式 約32万画素CMOS
機能 自分撮り、TV電話、ビデオチャット等
カラーバリエーション
Navi Black
テンプレート / ノート
ウィキプロジェクト

Windows 7 ケータイ F-07Cは、富士通によって開発された、NTTドコモ第3世代移動通信システムFOMA端末である。従来のFOMA端末用OS(MOAP(S)Symbian OS)とパソコン用のOSであるWindows 7 Home Premiumの2つのOSが搭載されている[4]キャッチコピー「パソコンが手のひらサイズに!」

スマートフォンのような外観だが、前述の通りOSにWindows 7 Home Premiumを採用しており、スマートフォン向けのモバイルオペレーティングシステムを搭載していないため、ドコモのラインナップではドコモ スマートフォンdocomo PRO seriesのいずれにも属さないコンセプトモデルとなった[5]

概要

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富士通のモバイルノートパソコンブランドであるFMV LOOXブランドを冠した[6]、OSにWindows 7 Home Premiumを搭載した端末である。また前述の通り、従来のFOMA端末用のOS(MOAP(S)Symbian OS)がWindowsとは別に搭載されており、それぞれを切り替えて利用することができる[7]。スマートフォン向けのWindowsとしてWindows Phone 7があるが、それとは異なるパソコン用のOSが搭載されている[8]

QWERTY配列のキーボードとトラックボールを備えた横スライド式となっている[5]液晶ディスプレイは4インチながら600×1024のSVGAと高画質であり、またマルチタッチに対応した静電容量式のタッチパネルも搭載されている[9]

OSは端末サイドの専用ボタンを押すことで切り替えることができる[10]。ただしOSやCPUはそれぞれ独立している[11]ため、iモードメールをWindows OSで見たり、Windowsで受信したメールをiモード用の画面で確認することはできない。ただしmicroSDなどは共有できる[11]ため、撮影した画像や動画、WordExcelファイルなどは、microSDカードに保存しておけばどちらからでも閲覧編集することが可能となっている。

Windows起動中にiモードメールなどをバックグラウンドで受信した場合はランプの点灯で通知することができ[12]、通話やエリアメールの着信があった場合は携帯モードが自動的に起動する[13]。また携帯モード起動中はWindowsがスリープ状態となる[5]

Windows 7モード

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Windows 7 Home Premium 32ビット版 Service Pack 1では機能としては、基本的にはPCと同等の機能を有しており、ブラウザにはInternet Explorer 9.0+Microsoft Silverlightが搭載されているため、PCとまったく同等のサイトの閲覧が可能となる。それに加えMicrosoft Office Personal 2010(2年間ライセンス版)がプリインストールされているため、PCと同等のWordExcelを利用することができる。その他様々なWindows 7用のアプリケーションをインストールし利用することが可能となる。ストレージにはハードディスクではなく、フラッシュメモリー32GBを利用できるほか、microSDHCカード32GBも利用できるため、最大で64GBまでストレージとして利用することができる(なお、microSDスロットはmicroSDXCにも対応している構造であり、動作保証外であるが使用可能なものもある)。

操作はスライド式のQWERTYキーボードやトラックボール、及びタッチパネルで操作をすることが可能となるが、別売りのHDMI端子とUSB端子4つを搭載したクレードルに端末を指すことで、USBを利用したマウスやキーボード、外付けハードディスクやDVDドライブ等の外部ストレージを利用することができるほか、HDMI搭載のディスプレーやテレビに画像を映すことができる。

通信機能としては、FOMAハイスピードでの利用はもちろん可能であるが、その際はiモードとは別に、mopera U等のFOMAハイスピード対応のプロバイダーとの契約が必要となる。また通話やiモードは利用せず、Windowsだけしか利用しない場合は定額データプランで利用することが可能となる。

その他通信機能として、Wi-Fi機能も搭載されており、IEEE802.11b/g/nでの接続が可能となるため、最大65Mbpsの高速通信も利用可能となる。ただし3GとWi-Fiの同時利用はできないため、WiFiテザリングなどは利用できない。

またBluetooth赤外線も搭載されているが、これらの機能はWindowsモードでは利用できない。また、GPSも携帯電話モードでないと利用できない。

PCモード時の動作時間は、約2時間としている[14]

Windowsモードの場合カメラは内側カメラのみ利用可能で、TVチャットなどに利用することも可能となるが、メインカメラは携帯モードでないと利用ができない。

DVDドライブ共有機能が搭載されており、無線LANを経由して別のパソコンのDVDドライブを利用することができ、ソフトウェアのインストールなどを行うことができる。

プリインストールアプリケーション(Windows)

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ファイル編集
インターネット・Eメール
便利ソフト
  • タッチコンソール
  • twifar ガジェット - TwitterFacebook/RSSの情報を表示
  • メールチェックガジェット - 新着メールチェック
  • カレンダーガジェット - 予定の確認・入力・編集
  • MSN & Windows Live ガジェット
  • ドコモコネクションマネージャ
AV機能
辞書・辞典
ユーティリティ
  • アップデートナビ
  • マイリカバリ
  • ソフトウェアディスク検索 - ソフトウェアインストールツール。
  • DVDドライブ共有機能設定
  • テレビ出力ユーティリティ
  • microSDカード制御ユーティリティ
  • システム状態表示

携帯モード

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携帯モードで利用する際でも、QWERTYキーボードやトラックボール、タッチパネルで操作を行うことができる。また同時期に発売されるdocomo PRIME series F-09Cと同様、ほとんどの操作をタッチパネルで行うことができる。携帯モードの機能としてはiモード端末そのものであり、iモードサイトの閲覧、iモードメールiアプリおサイフケータイテレビ電話2in1GPSなどが利用できる。ただしワンセグ 機能は搭載されていない。

カメラ機能なども、同時期に発売された機種のなかでは画素数などは低いほうではあるが、自動顔検出AF、露出補正、局所コントラスト補正、スマイルショット、美肌+ひとみ強調モード個人を探してピントを合わす、サーチミーフォーカス、トリプルブレガード、などと様々な機能が利用できる。

また富士通ブランドの機種ならではの機能として「スーパーはっきりボイス3」や「ジャイロセンサー」、加速度センサーを利用した歩数計、エクササイズカウンター機能が搭載されているほか、内側カメラに指をあてるだけで脈拍を計れるパルスチェッカー他の健康アプリなどが搭載されている。
また富士通ブランドのお家芸ともいえるセキュリティー機能として、任意に登録した人からのメールや通話の着信を隠しフォルダに格納し、本人以外見ることのできないプライバシーモードや置き忘れセンサーなども搭載されている。

通信機能としては、FOMAハイスピードが利用可能となるが、Windowsモードで利用できたWi-Fi通信は携帯電話モードでは利用できない。ただしBluetoothや赤外線は利用可能となっている。

その他に1372種類のデコメ絵文字がプリインストールされている。

プリインストールアプリ(携帯モード)

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その他dマーケットなどから様々なアプリケーションをダウンロードし、インストールが可能となる。

機能

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主な対応サービス
タッチパネル FOMAハイスピード7.2Mbps(受信)5.7Mbps(送信) Bluetooth DCMXおサイフケータイ
iアプリオンライン地図アプリ 直感ゲームメガiアプリ iウィジェット マチキャラiコンシェル
ホームUポケットU GPS/オートGPS/ケータイお探し/海外GPS デコメールデコメ絵文字デコメアニメ iチャネル
着もじ テレビ電話キャラ電 ケータイデータお預かりサービス フルブラウザ
おまかせロックバイオ認証 外部メモリーへiモードコンテンツ移行/ユーザーデータ一括バックアップ トルカ iC通信iCお引越しサービス
きせかえツールダイレクトメニュー バーコードリーダ名刺リーダ 2in1 エリアメール/ソフトウェアーアップデート自動更新
GSM3GローミングWORLD WING 着うたフルうた・ホーダイ Music&Videoチャネルビデオクリップ デジタルオーディオプレーヤー(AAC)(WMA)

歴史

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関連項目

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脚注

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  1. ^ 【PC Watch】 富士通、世界最小のWindows 7ケータイ「F-07C」発表会
  2. ^ 「Window 7ケータイ F-07C」のWindowsエクスペリエンスインデックスを測定 - ITmedia +D PC USER
  3. ^ 対応プロファイル:HSPHFPA2DPAVRCP
  4. ^ 日経クロステック(xTECH) (2011年9月6日). “Windows 7が動く異色のケータイ「F-07C」、Androidスマホにはないメリットや使い勝手は?”. 日経クロステック(xTECH). 2023年12月27日閲覧。
  5. ^ a b c 株式会社インプレス (2011年6月15日). “【Hothotレビュー】 富士通(NTTドコモ)「F-07C」 ~Windows 7を搭載した世界最小PCケータイ”. PC Watch. 2023年12月27日閲覧。
  6. ^ 写真で見るドコモ「F-07C」--富士通のLOOXブランドを冠したiモードケータイ”. CNET Japan (2011年5月18日). 2023年12月27日閲覧。
  7. ^ ASCII. “Windows7とデュアルブートのケータイ『Windows7ケータイ F-07C』”. 週刊アスキー. 2023年12月27日閲覧。
  8. ^ ある意味キワモノな「Windows 7ケータイ F-07C」ムービーレビュー、携帯電話とパソコンが同居する新機軸端末に - GIGAZINE”. gigazine.net (2011年5月16日). 2023年12月27日閲覧。
  9. ^ Windows® 7ケータイ F-07C サポート情報 : サービス・機能とスペック | お客様サポート | NTTドコモ”. www.docomo.ne.jp. 2023年12月27日閲覧。
  10. ^ 写真で解説する「Windows 7ケータイ F-07C」(外観編)”. ITmedia Mobile. 2023年12月27日閲覧。
  11. ^ a b 日経クロステック(xTECH) (2011年5月26日). “富士通の“Windows 7ケータイ”、2プロセサ構成で実現”. 日経クロステック(xTECH). 2023年12月27日閲覧。
  12. ^ 携帯電話(F-07C Windows 7モードを使用中に、iモードメールを受信した場合はどうなりますか?) - FMWORLD.NET(個人) : 富士通”. www.fmworld.net. 2023年12月27日閲覧。
  13. ^ LOOX Uを超えたケータイサイズの新LOOX──“PC”として写真と動画で見る「Windows 7ケータイ F-07C」”. ITmedia PC USER. 2023年12月27日閲覧。
  14. ^ Win7搭載の世界最小PCでもあるケータイ 富士通「F-07C」|ドコモ夏モデル新商品発表! スマートフォンは計9台 - ASCII.jp

外部リンク

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