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倉橋健

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倉橋 健(くらはし たけし、1919年10月11日 - 2000年5月17日)は、日本英文学者演劇評論家演出家早稲田大学名誉教授。本名の読みは「けん」。

人物

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日本統治時代の朝鮮京城で出生後、現在の長野県飯山市で育つ[1]。1941年早稲田大学英文学科卒。応召、1947年復員、1949年ワシントン州立大学留学、帰国後は早稲田大学文学部助手、講師、助教授、1958年教授。1970年から1989年まで早稲田大学演劇博物館館長。1988年から1990年まで日本演劇学会会長。1990年定年退任、名誉教授。1983年秋、紫綬褒章受勲。

アーサー・ミラーなどの翻訳だけでなく、劇団青俳に参加し安部公房の戯曲『どれい狩り』『快速船』の舞台演出を担当した。ロシア語からの翻訳も行った。文部省の文化政策推進会議の委員を務めた。

弟に化学者倉橋潔大阪大学名誉教授がいる。

著書

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  • 『アメリカの現代劇 ユージン・オニール以后』(古今書房) 1946
  • 『演出のしかた』(三省堂) 1957、のち晩成書房 1980
  • 『現代アメリカ演劇論』(南雲堂) 1960、のち改題『現代アメリカの演劇』1978
  • 『芝居をたのしむ』(南雲堂) 1993

共編著など

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翻訳

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  • 「レフティを待ちつつ」(クリフォード・オデッツ白水社、『現代世界戯曲選集 第6』) 1954
  • 「恐怖を風と共に」(C&P・シフトン、白水社、『現代世界戯曲選集 第9』) 1954
  • 『スタニスラフスキイ演出教程 決定版』(訳編、未来社) 1954
  • 『俳優修業の実際』(クリスティ、未来社、てすぴす叢書) 1954
  • 『舞台の第一歩』(スタニスラフスキイ、未来社、てすぴす叢書) 1954
  • 「かもめ」(チェーホフ、白水社、『チェーホフ名作集』) 1956
  • 「偉大なる神ブラウン」(ユージン・オニール、荒地出版社、現代アメリカ文学全集 第13』) 1959
  • マクベス」(平凡社、『世界名作全集 第2 (シェイクスピア名作集)』) 1960
  • 「検察官」(河出書房新社、『世界文学全集 第10 (ゴーゴリ)』) 1963
  • 「知恵の悲しみ」(グリボエードフ筑摩書房、『世界文学大系 第89 (古典劇集 第2)』) 1963
  • 『テネシイ・ウイリアムズ一幕劇集』(早川書房) 1966
「踏みにじられたペチュニア事件」「わが最後の金時計」「ロング・グッドバイ」

ウィリアム・サローヤン

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アーサー・ミラー

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  • 『アーサー・ミラー全集 4』(早川書房) 1974
  • 『アーサー・ミラー全集 2 橋からのながめ / るつぼ』改訂版(早川書房) 1984[2]
  • 『アーサー・ミラー全集 5』(早川書房) 1985
  • 『アーサー・ミラー全集 3』改訂版(早川書房) 1986
  • 『北京のセールスマン』(アーサー・ミラー、早川書房) 1987
  • 『アーサー・ミラー全集 1 みんな我が子 / セールスマンの死』改訂版(早川書房) 1988
  • 『アーサー・ミラー自伝』上・下(早川書房) 1996
  • 『アーサー・ミラー全集 6 壊れたガラス / 大司教の天井』(早川書房) 1998
  • 『アーサー・ミラー 1 セールスマンの死』(ハヤカワ演劇文庫) 2006
  • 『アーサー・ミラー 2 るつぼ』(ハヤカワ演劇文庫) 2008
  • 『アーサー・ミラー 3 みんな我が子 / 橋からのながめ』(ハヤカワ演劇文庫) 2017
  • 『アーサー・ミラー 4 転落の後に / ヴィシーでの出来事』(ハヤカワ演劇文庫) 2017
  • 『アーサー・ミラー 5 代価 / 二つの月曜日の思い出』(ハヤカワ演劇文庫) 2017

舞台演出

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  • 安部公房『どれい狩り』(劇団青俳) 1955年
  • 安部公房『快速船』(劇団青俳) 1955年

など

脚注

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  1. ^ いま活躍中のわが郷土名士 100人+α 週刊読売-1981.05.17
  2. ^ 旧版は菅原卓訳、他も同じ

参考

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  • 『人事興信録』1995年