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日本神話

出典: フリー引用句集『ウィキクォート(Wikiquote)』

日本に伝わる神話古事記日本書紀などに記されている。アマテラスの項も参照。

八雲立つ

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やくもたつ いづもやへがき つまごみに やへがきつくる そのやへがきを
八雲立つ 出雲八重垣 妻蘢みに 八重垣作る その八重垣を
夜久毛多都伊豆毛夜幣賀岐都麻碁微爾夜幣賀岐都久流曾能夜幣賀岐袁 --速須佐之男命( スサノオノミコト)、『古事記』
やくもたつ いづもやへがき つまごみに やへがきつくる そのやへがきゑ
夜句茂多菟伊弩毛夜覇餓岐菟磨語昧爾夜覇餓枳都倶盧贈廼夜覇餓岐廻 --素盞嗚尊、『日本書紀』


日本初の和歌とされる。

久米歌

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おさかの おほむろやに ひとさはに きいりをり ひとさはに いりをりとも みつみつし くめのこが くぶつつい いしつついもち うちてしやまむ みつみつし くめのこらが くぶつつい いしつついもち いまうたばよらし
忍坂の 大室屋に 人多に 来入り居り 人多に 入り居りとも みつみつし 久米の子が 頭椎 石椎もち 撃ちてし止まむ みつみつし 久米の子等が 頭椎 石椎もち 今撃たば宜し
(忍坂の大きな室屋に、人が多く来て入っている。人が多く入っていても、久米部の者が、頭椎や石椎(の大刀)でもって、撃ってしまうぞ。久米部の者たちが、頭椎や石椎(の大刀)でもって、今撃てば良いぞ)
意佐賀能 意富牟廬夜爾 比登佐波爾 岐伊理袁理 比登佐波爾 伊理袁理登母 美都美都斯 久米能古賀 久夫都都伊 伊斯都都伊母知 宇知弖斯夜麻牟 美都美都斯 久米能古良賀 久夫都都伊 伊斯都都伊母知 伊麻宇多婆余良斯 -- 『古事記』
みつみつし くめのこらが あはふには かみらひともと そねがもと そねめつなぎて うちてしやまむ
みつみつし 久米の子等が 粟生には 臭韮一本 そねが本 そね芽繋ぎて 撃ちてし止まむ
(久米部の者たちの粟畑には 臭いニラが一本生えている。それの根から芽まで繋いで抜き取ってしまうように、(敵を一繋ぎにして)撃ってしまうぞ)
美都美都斯 久米能古良賀 阿波布爾波 賀美良比登母登 曾泥賀母登 曾泥米都那藝弖 宇知弖志夜麻牟 -- 『古事記』
みつみつし くめのこらが かきもとに うゑしはじかみ くちひひく われはわすれじ うちてしやまむ
みつみつし 久米の子等が 垣下に 植ゑし椒 口ひひく 吾は忘れじ 撃ちてし止まむ
(久米部の者たちが垣の下に植えた山椒は(食べると)口がひりひりする。私は(敵から受けた攻撃の痛手を今も)忘れない。撃ってしまうぞ)
美都美都斯 久米能古良賀 加岐母登爾 宇惠志波士加美 久知比比久 和禮波和須禮志 宇知弖斯夜麻牟 -- 『古事記』
かむかぜの いせのうみの おひしに はひもとほろふ しただみの いはひもとほり うちてしやまむ
神風の 伊勢の海の 生石に 這ひ廻ろふ 細螺の い這ひ廻り 撃ちてし止まむ
(伊勢の海の生い立つ石に這い廻っている細螺のように、(敵の周りを)這い回って撃ってしまうぞ)
加牟加是能 伊勢能宇美能 意斐志爾 波比母登富呂布 志多陀美能 伊波比母登富理 宇知弖志夜麻牟 -- 『古事記』

国偲び歌

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やまとは くにのまほろば たたなづく あをかき やまこもれる やまとしうるはし
倭は 國のまほろば たたなづく 青垣 山隱れる 倭しうるはし
(大和の国は国々の中で最も優れた国だ。重なり合って青々とした垣のように国を囲む山々。(その山々に囲まれた)大和は美しい)
夜麻登波 久爾能麻本呂婆 多多那豆久 阿袁加岐 夜麻碁母禮流 夜麻登志宇流波斯 -- 倭建命『古事記』景行記
夜麻苔波 區珥能摩倍邏摩 多々儺豆久 阿烏伽枳 夜麻許莽例屡 夜麻苔之于屡破試 -- 大足彦忍代別天皇(景行天皇)『日本書紀』景行記
いのちの またけむひとは たたみこも へぐりのやまの くまかしがはを うずにさせ そのこ
命の 全けむ人は 疊薦 平群の山の 熊白檮が葉を うずに挿せ その子
(命の完全な人は、平群の山の熊樫の葉を髪に挿せ(挿して、命を謳歌せよ)、その人々よ)
伊能知能 麻多祁牟比登波 多多美許母 幣具理能夜麻能 久麻加志賀波袁 宇受爾佐勢 曾能古 -- 倭建命『古事記』景行記
異能知能 摩曾祁務比苔破 多々瀰許莽 幣愚利能夜摩能 志邏伽之餓延塢 于受珥左勢 許能固 -- 大足彦忍代別天皇(景行天皇)『日本書紀』景行記
はしけやし わぎへのかたよ くもゐたちくも
愛しけやし 我家の方よ 雲居立ち来も
(ああ。懐かしい我が家の方から、雲がわき上がってくることよ)
波斯祁夜斯 和岐幣能迦多用 久毛韋多知久母 -- 倭建命『古事記』景行記
波辭枳豫辭 和藝幣能伽多由 區毛位多知區暮 -- 大足彦忍代別天皇(景行天皇)『日本書紀』景行記
をとめの とのこべに わがおきし つるぎのたち そのたちはや
嬢子の 床の辺に 我が置きし 劔の大刀 その大刀はや
(少女(妻の美夜受比賣)の床の側に、私が置いてきた大刀。ああ、その大刀よ)
袁登賣能 登許能辨爾 和賀淤岐斯 都流岐能多知 曾能多知波夜 -- 倭建命『古事記』景行記

『古事記』では倭建命の辞世。『日本書記』では景行天皇が日向で詠んだ歌。