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区 (分類学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
生物学 > 生物の分類 > 区 (分類学)

(く)は、生物の分類における補助的な階級のひとつ。基本的な分類階級()には含まれず、日本語とその他の言語で対応する用語や位置も明確に定められているものではなく、分野ごとに異なる。

階級と位置

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「区」の訳語が当てられる階級・用語には以下のものがある。

division(ディヴィジョン)
国際動物命名規約においては、それが属や亜属を分割する目的で定義されている場合「亜属という階級と見なされる」用語の一つとして節(section)とともに言及されている[1]
魚類の分類では、サメ区(division Selachii)や新鰭区(division Neopterygii)のように綱と目の間に置かれる。必要に応じて、下位階級として亜区(あく、subdivision)や下区(かく、infradivision)が設定される[2]
なお、植物学におけるdivisionは門(phylum)と同義として扱われる[3]
cohort(コホート)
哺乳類の分類では、有胎盤区(cohort Placentalia)や有袋区(cohort Marsupialia)のように団(legion)と目の間に置かれる。必要に応じて、上位階級として上区(じょうく、supercohort)が設定される[4]
軟体動物の分類では、鞘形区(cohort Coleoida)のように綱と目の間に置かれ、また下位階級である亜区(subcohort)を含めて重要な階級の一つとして位置づけられている[5]
一方でダニ類の分類では、目と科の間に置かれるcohortに対して「団」の訳語が当てられている[6][7]。また魚類では、cohortがdivisionとorderの間の階級として設定されたり[8]、classとdivisionの間の階級として設定されることもある[9]

脚注

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  1. ^ 動物命名法国際審議会 著、野田泰一・西川輝昭 編 『国際動物命名規約 第4版 日本語版[追補]』日本学術会議動物科学研究連絡委員会 監修、日本分類学会連合、2005年。
  2. ^ 中坊徹次 編『日本産魚類検索 全種の同定 第三版』東海大学出版会、2013年。
  3. ^ 溝田浩二「門外漢のための「学名」のはなし」『化学と生物』第42巻 2号、日本農芸化学会、2004年、99-103頁。
  4. ^ 日本哺乳類学会 種名・標本検討委員会 目名問題検討作業部会「哺乳類の高次分類群および分類階級の日本語名称の提案について」『哺乳類科学』第43巻 2号、日本哺乳類学会、2003年、127-134頁。
  5. ^ 福田宏「種名と配列に関わる解説等(軟体動物門)」、岡山県野生動植物調査検討会 編『岡山県野生生物目録 2019 ver.1.3』岡山県環境文化部自然環境課、2022年6月14日更新、2023年1月18日閲覧。
  6. ^ 安倍弘・青木淳一・後藤哲雄・黒佐和義・岡部貴美子・芝実・島野智之・高久元「ダニ亜綱の高次分類群に対する和名の提案」『日本ダニ学会誌』第18巻 2号、日本ダニ学会、2009年、99-104頁。
  7. ^ 島野智之「ダニ類の高次分類群とその和名」『Edaphologia』第109巻、日本土壌動物学会、2021年、34-35頁。
  8. ^ Joseph S. Nelson, Terry C. Grande & Mark V.H. Wilson, Fishes of the World (5th ed.), John Wiley & Sons, 2016.
  9. ^ Ricardo Betancur-R, Edward O. Wiley, Gloria Arratia, Arturo Acero, Nicolas Bailly, Masaki Miya, Guillaume Lecointre & Guillermo Ortí, “Phylogenetic classification of bony fishes,” BMC Ecology and Evolution, Volume 17, Article number: 162, BioMed Central, 2017.

関連項目

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