コンテンツにスキップ

捨三

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

捨三(すてぞう)は必殺シリーズの第6作『必殺仕置屋稼業』と、第7作『必殺仕業人』に登場したキャラクター。渡辺篤史が演じた。

キャラクター

[編集]

出身地は信州中村主水藤田まこと)とは以前からの知り合いで[1]、裏稼業を再開しようとしていた主水に協力して、友人である破戒僧の印玄(新克利)を紹介した。主水を狙おうとした所を逆に彼に誘われた一匹狼の殺し屋、市松(沖雅也)とも出会う(『必殺仕置屋稼業』第1話)。

捨三は殺しには参加せず、仕置屋の密偵として、主に仕置相手の情報収集と仕置の段取りを組む。時には変装してとなり、主水たちをサポートすることもある。

表稼業の勤め先である銭湯「竹の湯」の釜場は、仕置屋グループの隠れ家となっている。

主水に対して大きな敬意を払い、外道仕事は引き受けないという信念を持つ。絵草子に夢中になる普通の青年でもある。独身で女性関係については印玄、やいとやと違い、殆ど描かれていない。

主水の夫婦関係を見聞きしている影響からか「所帯を持ちたくない」との発言をしているが、『仕業人』第12話「あんたこの役者をどう思う」では依頼人のお染に「夫婦になってくれ」と求婚したことがある[2]。第24話「あんたこの替玉をどう思う」で、信州時代の隣人で初恋の女性 お弓と再会するが彼女には既に許婚がいることを知り、落ち込んでいた。

『仕置屋』最終回「一筆啓上崩壊が見えた」で睦屋一味との対決の末に印玄とおこう(中村玉緒)は死亡。市松は敵の密告により奉行に捕縛[3] され、仕置屋は崩壊。

捨三は江戸に残り、主水、鍼灸師のやいとや又右衛門(大出俊)と裏稼業を続けていた。一年後、市松と組んでいた逃亡中の浪人で大道芸人の赤井剣之介(中村敦夫)を仲間に加え、仕業人グループを結成(『必殺仕業人』第1話)。表稼業は銭湯の釜番から色街専門の洗い張り屋に商売替えして、仕業人グループの隠れ家は彼の店の物干し場となった。

仕業人の解散を描いた最終回では斬殺された剣之介とお歌(中尾ミエ)の仇討ちで主水が土屋小十郎を斬った瞬間をやいとやと見届けた後、江戸を去って行った。その後の消息は不明。

解説

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 過去に掏摸で捕まった所を主水に助けて貰ったと『必殺仕置屋稼業』第1話で述べている。この時点で、主水の裏の顔を既に知っていると述べているが経緯は不明。
  2. ^ お染は「仕事料となる金を作るために遊廓へ身を投じていた自分のような人間は妻になる資格はない」との手紙を残して姿を消した。
  3. ^ 主水の幇助で小伝馬町牢屋敷への護送中に逃亡する。
  4. ^ 渡辺は第5作『必殺必中仕事屋稼業』で侍くずれの政吉を演じた林隆三と『お荷物小荷物』で共演している。
  5. ^ 佐々木は必殺シリーズで脚本を書いたことはないが、必殺シリーズのスタッフが製作した『おしどり右京捕物車』の最終回と『斬り抜ける』の第14話で脚本を書いたことがある。