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Mental ray

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Mental Ray
開発元 Nvidia
初版 1989年 (35年前) (1989)
最新版
3.14
対応OS Linux, OS X, Microsoft Windows[1]
サポート状況 終了。(買収のため)
公式サイト www.nvidia.com/object/nvidia-mental-ray-products.html
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mental rayとは、NVIDIAが提供していたレイトレーシングベースの3次元コンピュータグラフィックスレンダリングエンジンである。

元々は独mental images GmbH英語版 (後のNVIDIA ARC GmbH) によって開発されていたが、2007年にGPUメーカーのNVIDIAがそれを買収し子会社化した。2017年、開発終了した[2]が、PTC Creo Parametricには未だ搭載されている。

歴史

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1989年から2017年に至るまで継続して開発・更新が続いていた。最初、1993年にSOFTIMAGE Creative Environment (後のSoftimage 3D) が mental ray を内部レンダラーとして統合し、その後、その後継のSoftimage | XSI、Discreet Logic社の3ds Max、Alias SystemsのMayaが続いて内部レンダラーとして採用した。また、Autodesk社のCADであるAutoCADやRevitにも搭載された。

2008年、GPU対応REYESスキャンラインレンダラーのGelato (旧Entropy←BMRT[3]、Exlunaより買収)が開発終了となり、その開発チームがmental rayの開発に加わった[4]

しかし、その後、Softimage社とAlias Systemsの買収を行ったAutodeskは、自社レンダラー「Autodesk Raytracer」 (別名Rapid RT)の開発を進め、また、2016年にArnoldの開発元であるSolid Angle社の買収を行って、同社の製品にそれらを付属することでmental rayを排除した。そのため、2017年にmental rayは開発終了となった。

特徴

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フォトンマッピング技術により、物理的に正確なグローバルイルミネーションのシミュレーションを行なうことで、コースティクスのような光学現象を再現することが可能。スペクトルレンダリングにも対応していた[5]

非写実レンダリング (NPR) 向けとしては、Softimageに付属するToonシェーダに定評があり、これを3ds MaxやMayaから使う方法も存在した[6]

また、mental rayにはirayエンジンも統合されており[7] (Iray mode)、3ds Maxからはmental rayを通してirayを使うことが可能であった[8]

NVIDIA Iray

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NVIDIA Irayは、NVIDIAが開発するGPU対応レンダラーであり、そのレンダリングエンジンはMental Rayにも搭載されている[9]

IrayはAutodesk 3ds Max 2011〜2017、DAZ Studio 4.8以降、CATIA V6R2011x以降、SOLIDWORKS Visualize (旧Bunkspeed)[10]Siemens NX 11以降[11]、Substance Designer 5.3以降、Substance Painter 2以降[12]などに標準で搭載されている。分散レンダリング用としてNVIDIA Iray Serverが存在する。また、3DCG/3DCADソフトウェア用のプラグインとして以下が存在する:

現行
過去
  • BIM IQ Render - Autodesk Revit用。Oldcastle BuildingEnvelope開発[17]
  • Allura Renderer - SketchUp用。Render Plus開発。
  • Iray for Cinema 4D (旧m4d) - Cinema 4D用。at² Softwareが開発していた[18]。開発終了[19]
  • Iray for Rhino - Rhinoceros 3D用。migenius開発。2022年4月現在Rhinoderos 3D 6まで対応。2023年廃止[20]
  • ProWalker GPU - Cadalog開発。SketchUp用でIrayベースとなっていた[21]が廃止され、ProWalker CPUの後継のPodiumxRT[22]はIntel OSPrayベースとなっている[23]

またクラウドレンダリング向けの migenius RealityServer も存在する (migenius は2021年にPTCに買収された[24])。

Iray+

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Iray+ (旧Lightworks Iray+) は元々 Lightwork Design Ltd.英語版 が開発していた NVIDIA Irayベースのソフトウェア開発キット (SDK) であり、同社の「Iray for 3ds Max」を始め、様々なNVIDIA Irayベースのプラグインなどに使われている。

Lightworks Designは最初、独自のレンダリングソルーションのLightworks Authorを他社に提供していたものの、2013年よりNVIDIA Irayの総代理店となってそのサポートを提供するようになり、Lightworks Iray+はその利用を容易にするものとして開発されていた[25]。Lightworks Designは2019年にシーメンスに買収され[15]、その後、Iray+はシーメンスより提供されるようになった。

関連項目

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脚注

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  1. ^ GPU Rendering Solutions for 3D Designers”. 2024年1月27日閲覧。
  2. ^ Mental Ray EOL announced CGPress 2017年11月18日
  3. ^ Renderman FAQ Larry Gritz
  4. ^ NVIDIA、GPUベースのレンダリングソフトウェア、NVIDIA Gelato Proの無償提供を開始 2008年5月30日 NVIDIA
  5. ^ Spectral Rendering Autodesk
  6. ^ MayaでsiToon! デジタル・フロンティア 2013年4月22日
  7. ^ mental ray 3.10 NVIDIA ARC
  8. ^ Changes to Rendering in 3ds Max 2018 Autodesk 2017年5月8日
  9. ^ mental images、レンダリングソリューションのirayを発表 NVIDIA 2009年9月30日
  10. ^ Bunkspeed Introduces PRO 2012 with integrated NVIDIA iray Peerless Media 2011年9月9日
  11. ^ Review: Siemens PLM NX 11 DEVELOP3D 2016年5月9日
  12. ^ Substance Painter 2 is out CGPress 2016年3月16日
  13. ^ Realising a Vision | Iray+ for 3ds Max Lightworks
  14. ^ Iray plugin renderer for Autodesk 3ds Max NVIDIA
  15. ^ a b Siemens acquires Lightwork Design to deliver advanced 3D data visualization Lightwork Design 2019年5月18日
  16. ^ Download Iray for Autodesk Maya 2016 PLUGIN FREE 2016年1月29日
  17. ^ Materials Based Rendering with Iray for Revit NVIDIA
  18. ^ m4d is now NVIDIA Iray for Cinema 4D at² Software
  19. ^ NVIDIA IRAY PLUGIN TRANSITION FAQ NVIDIA 2017年
  20. ^ Iray for Rhino Siemens Industry Software
  21. ^ ProWalker GPU - V1.2.4 Update Release Cadalog
  22. ^ Download ProWalker CPU for SketchUp Cadalog
  23. ^ PodiumxRT Cadalog
  24. ^ PTC acquires Migenius for the growing Onshape family GraphicSpeak 2021年2月8日
  25. ^ Lightworks Iray+ Technical Overview p.3 Lightworks Design